藍は染色用のタデ科の植物である。4月ごろの種まきして、成長したら7月上旬から8月かけて刈り取り乾燥させる。収穫したものをすぐに利用して染める藍の生葉染めでは、絹の布を染色できる。今回の染色は木綿の生地の染色である。この実験に使用した藍の葉は昨年の8月に収穫したものを葉だけとって、室内で自然乾燥させたものである。25gずつ不織布の生ごみネット入れて保存しておいた。1年ほど経っているが、染色用として十分使える。葉の量は今回は50gにした。生徒実験として扱うには時間がかかり、アルカリ性の薬品を使うので皮膚などに付かないように注意する。
材料 藍の乾燥葉 50g(シャツ1枚程度なら25gでもできるでしょう) 炭酸ナトリウム10g(×2)ハイドロサルファイトナトリウム10g(×2)鍋、ガコンロ、かき混ぜ棒、ビニール手袋、大きなボウルまたは鍋、3%酢酸水溶液2リットル
*衣服が汚れないように、作業用エプロンまたは、実験服を着用する。
①鍋に水2リットルと 藍の乾燥葉を入れ15分程度煮て煮汁をすてる。 (単に端切れ布を使う簡単なビーカーの実験ならやらなくてもよい、500mlビーカーに水300mlで藍の葉10g程度、薬品を入れてすくに煮出す。さらに、薬品を入れ煮る)
②1回目の染色液作りは、炭酸ナトリウム10g、ハイドロサルファイトナトリウム10g、水1.5リットル入れて15分程度中火で煮る。この時表面が青くなる。煮出た煎汁をボウルに流し込む。
③2回目も同じようにして、1回目の煎汁と合わせ染料液にする。少し冷えるまで待つ。
④木綿生地は少しぬらしておいく。 (今回は生地を2箇所少し絞り、紐を生地に巻いて絞り染めにしておいた)
⑤染色液に生地を入れ、約5分間浸して液の中で布を動かす。
⑥染色液から取り出し絞って10分程度空気にさらす。
⑦これを2回~3回繰り返す。そうすると次第に色が濃くなる。このときは少し濁った緑っぽい青色である。
⑧最後に酢酸水溶液に浸す。すると鮮やかな色合になってくる。(色止め)
⑨よく水洗いして乾燥させる。
藍の 材料の写真
藍の乾燥葉 最初の煮出した煎汁を捨てる。
染色液を作る(1回目) 染色液を作る(2回目)
生地を染色する 染色して定着・乾燥している 出来上がったTシャツ(写真はまだ濡れている)
藍の乾燥葉の染色について
藍の葉は乾燥するとインジカンをインドキシルインジカナーゼ(加水分解酵素)の働きで分解しインドキシルになる。。そして、インドキシルが空気に触れてインジゴになる。インジゴは水に溶けない。そこでハイドロサルファイトナトリウムで還元し水に可溶なロイコインジゴにかえている。この水溶液の色は黄色になる。また、水溶液の表面は空気に触れ酸化され青くなっている。この水溶液に布を入れるとロイコインジゴが布に絡んで付く。そして、水溶液から出して空気に触れるとロイコインジゴが酸化されインジゴに変化して青くなり布が染まる。